2011.10.18 Tuesday 07:55

滞留在庫を減らすための方策(4)

 Step2-(2) 取組みを進める(2) 〜在庫の滞留を防ぐ〜

滞留在庫を減らすために必要な2つの取組みのうち、今回は、在庫の滞留を防ぐことについて考えます。

滞留する在庫の大半は、購入・生産した時点で滞留が運命づけられています。在庫の滞留を防ぐためには、この「滞留在庫予備軍」の発生を抑えなければなりません。

 余分な在庫が発生する原因を把握する

生産に必要な材料・部品の数量の見積り方がいい加減であったり、必要数量にかかわらず仕入業者の定めた単位で材料・部品を発注していると、必要のない材料・部品まで余分に発注することになります。また、生産計画の精度が粗ければ、顧客から受注した数量を超えて余分な製品を生産してしまうかもしれません。ときには、複数の原因が複雑に絡み合って余分な在庫が発生することもあるでしょう。
このように、余分な在庫が発生する原因はさまざまですが、多くの場合余分な在庫が発生する仕組みに問題があります。まずは、どのような仕組みによって余分な在庫が発生しているのか把握することが重要です。

余分な在庫は、従業員のミスによって発生することもあります。従業員のミスによる余分な在庫の発生は、仕組みの問題に比べると責任の所在や原因が明らかなため、過度に焦点が当たってしまう傾向にあります。従業員のミスについても、もちろんそれを防ぐための対応を行う必要がありますが、個別のミスへの対応にとらわれすぎて、仕組みの問題への対応がおろそかにならないよう、十分に注意しなければなりません(多くの場合、従業員のミスも、チェックが甘いなどの仕組みに起因します。)。

 余分な在庫が発生する仕組みを改善する

余分な在庫が発生する仕組みが把握できたら、その仕組みを改善しなければなりません。

仕組みの改善というのは非常に厄介です。なぜなら、日常業務に支障が出るかもしれないからです。
製造業の仕事は、製品を生産してそれを顧客に収めることによって会社のお金を増やすことですが、一般の従業員の関心事は、製品を生産してそれを顧客に収めることによって給料をもらうこと(=自分のお金を増やすこと)です。言うまでもなく、余分な在庫の発生を抑えて会社のお金を増やすことは従業員のお金を増やすことにつながるのですが、人員や時間の制約が大きい中で日常業務を回している従業員にとってそれを実感するのは難しく、どうしても自分の給料に直結する日常業務が最優先となります。
余分な在庫の発生を防ぐためには、今行っている生産計画の立て方を大幅に変えなければいけないかもしれませんし、材料・部品発注の方法を見直す必要があるかもしれません。曲がりなりにも日常業務が回っているのに、従業員があえてリスクを冒してこのようなことを行うためには、相当に強い動機が必要です。

それでは、その強い動機とは何でしょうか?

それは、従業員自らの深い理解と社長の強い支持です。
そのためには、在庫滞留の弊害と従業員自身への影響を根気強く説き続けなければなりません。また、社長自らを長とするプロジェクトチームを結成する、成果を上げた従業員を評価する、あるいは必要な投資を行う等により、社長の支持を形であらわすことも重要でしょう。

 発生した余分な在庫を速やかに処分する

余分な在庫が発生する仕組みを改善すれば、滞留在庫の増加は抑えられます。
ここで注意しなければならないのは、余分な在庫の発生を抑えることはできても、ゼロにすることはできないということです。
Step2-(1)で、すでに滞留している在庫を処分する取組みを考えましたが、「滞留在庫予備軍」の処分はこれに含まれません。ですから、「滞留在庫予備軍」の処分のための手続きを別途定めないと、余分な在庫が発生したら滞留するまで放置されてしまうのです。
「滞留在庫予備軍」の処分についても、すでに滞留している在庫の処分と同様に、処分手続きを明確にし、定めた手続きに従って粛々と進めることが重要です。そうすることによって、やむを得ず発生した余分な在庫についても、滞留を防ぐことができます。

 顧客原因による余分な在庫

余分な在庫が発生するのは自社の仕組みに問題のあるケースが大半ですから、まずは自社の仕組み改善に取り組むべきですが、余分な在庫が発生する原因が顧客にあることもあります。
力関係上、顧客への要請は極力避けたいというのが営業担当者の本音ですから、取引が始まってから在庫に関する要請を行おうと思っても、なかなか進展しません。顧客への要請は、できる限り取引開始段階において契約書などに明文化し、顧客に起因する余分な在庫の発生を抑え、発生した場合は機械的に処分を進められるようにしておく必要があります。


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