2011.10.11 Tuesday 07:54

滞留在庫を減らすための方策(3)

 Step2-(1) 取組みを進める(1)  〜すでに滞留している在庫を処分する〜

滞留在庫を減らすために必要な2つの取組みのうち、今回は、すでに滞留している在庫を処分することについて考えます。

 現状を把握する

在庫を処分するにあたっては、どの在庫がどのくらいの期間どこに滞留しているのかわかっていなければなりません。そのためには、まず、すべての在庫の数量、金額、保管場所、滞留期間を把握する必要があります。もちろん、同じ品目であっても保管場所や滞留期間の異なるものは、それぞれについて把握しておくべきでしょう。
また、在庫の現状は、データとして把握すると同時に、目で見ても把握できるようにしなければなりません。それを容易にするためには、滞留在庫の保管場所を他の在庫と分けることが必要になります。保管場所を区分することは、日常業務を円滑に運ぶうえでも非常に有用です。

 処分の手続きを明確にする

滞留在庫といえどもお金をかけて購入・生産したものですから、処分するには痛みが伴います。在庫は目に見えるだけに、その痛みは切実です。そのためか、滞留在庫の保管は経営に悪影響であることがわかっていても、もったいないという思いが強く働き、処分せざるをえなくなった在庫をいつまでも保管しているケースをみかけることがあります。
このような状態に陥らないために、処分の手続きを明確に定め、処分対象に該当する在庫は迷わず確実に処分できるようにしておく必要があります。

まず、在庫保管の許容期間を定めます。その期間を超えて保管している在庫は処分するのです。
許容期間を定めるにあたっては、品質と需要の2つの視点を考慮します。品質の視点とは、その期間を超えて保管していると品質が劣化するという視点です。需要の視点とは、その期間使用・販売されることがなければその後も使用・販売されることはないという視点です。
ここで注意しなければならないのは、品質の視点も需要の視点も、「予測」の要素が入らざるをえないということです。定めた許容期間を超えても、品質は劣化しないかもしれませんし、使用・販売されることがあるかもしれません。だからと言って、それが確実になるまで待っていては、いつまでたっても滞留在庫を処分することはできません。許容期間は十分に検討して決めなければなりませんが、一旦決めたら、許容期間を超えて保管している在庫は例外なく処分することが大切です。

ところで、在庫の処分と言ってもその内容は一様ではありません。安売りも処分ですし、廃棄も処分です。
会社にとって一番避けたい処分は、廃棄です。在庫の購入・生産にかけたお金をそっくりそのまま放棄することになるからです。それでも、廃棄すべき在庫は速やかに廃棄しなければなりません。そのためには、安売りをするのか、廃棄するのか、処分の区別を明確にし、廃棄すべき在庫は廃棄する以外に選択肢がないようにしておく必要があります。

在庫保管の許容期間を定め、処分の区分を明確にしたら、処分の手続きを明確にします。
どの時点で、誰が処分申請を行い、誰が決裁し、誰が処分するかを明確にするのです。
多くの場合在庫が滞留するのは仕組みに原因があるので、在庫滞留の責任を特定の部門や個人に限定することは困難です。そのため、「在庫滞留に責任がある従業員」が処分申請を行うなどとあいまいな定めにすると、誰も自ら進んで処分申請をしません。したがって、誰が処分申請を行うかをあらかじめ特定しておくことは、処分を進めるうえで非常に重要です。
また、価値のなくなった滞留在庫といえども会社の資産ですから、社長あるいは社長から権限委譲を受けた従業員が処分の決裁をし、従業員が勝手に処分することがないようにしなければなりません。

 手続きに従って処分を進める

在庫保管の許容期間を定め、処分の区分を明確にし、処分の手続きを明確にしたら、手続きにしたがって滞留在庫の処分を粛々と進めます。

中小企業に共通する強みは、何といっても「機動力」です。顧客のさまざまな要求を迅速に満たすために、柔軟な対応を行い、顧客の信頼を勝ち取っています。
ところが、個別的な対応を強みとするがゆえに、「原則」を軽視する傾向が多くの中小企業に見られます。「原則」にこだわるのは大企業病の兆候だ、中小企業にとってはすべてが「例外」だ、中小企業は「原則」にこだわっていたら商売なんかできない、といった考えです。

中小企業が得意とする個別対応には手間がかかります。顧客に対しては可能な限り個別対応を図るべきでしょう。しかしながら、手間をかけるべきでない仕事には、原則重視の対応を行い、極力手間を省くべきです。すでに滞留している在庫を減らすためには、まさに原則重視で粛々と処分を進めることが求められます。


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