2011.11.15 Tuesday 07:56

中小上場企業で内部監査を機能させる

 (今回は、たなかビジネスサポートメルマガからの転載です。)



さて、今回はコーポレート・ガバナンスにおいても重要な役割を担う内部監査について考えてみたいと思います。



中小規模の上場企業では、多くの場合、人材面の制約から、内部監査の専任者は1名〜2名程度です。

それでも、SOX法以降重要性への認識が高まり、多くの企業が内部監査のレベルアップを図っています。



内部監査は、社内の業務がルールにのっとって効率よく行われているかチェックし、改善すべき点があれば指摘・提案を行います。

会社の内部管理を強化するために、とても重要な役割を担っています。



ところが、内部監査には制約があります。

それは、経営者の命を受けて監査を行っているので、経営者の監査を行うことはできないということです。

とりわけ中小企業においては、この制約は内部監査にとって大きな足かせとなっています。



中小企業においては、たとえ上場していても、オーナー経営者の影響力が絶大であり、その考えは会社の隅々にまで浸透しています。

したがって、たとえば経営者のコンプライアンス意識が極端に低く、「法令順守はさておき、まずは利益確保」という考えを持っていれば、社内の業務もその考えを前提として行われるため、いくら内部監査で法令違反を指摘しても、改善は容易ではありません。

この場合、内部監査の効果をあげるためには、経営者自身への監査が必要になりますが、内部監査にその権限は与えられていないのです。



そこで必要になってくるのが、内部監査人と監査役との連携です。

監査役は経営者の監査を行うのが役割であり、内部監査の制約を補ってくれるはずの存在だからです。



しかしながら、今回のオリンパス事件でも明らかになったように、監査役は十分に経営者の監査をしていないのが実態です。

もちろん、最近は「物言う」監査役として、しっかりと機能を果たしている監査役も出てきていますが、まだまだ少数派のようです。



監査役が機能を果たしていないとすると、内部監査人は、経営者の監査ができないという制約を甘受して監査を行わなければならないのでしょうか。



理屈上はそうなってしまうのかもしれませんが、せっかく内部監査をするのであれば、何とか有効に機能するための方策を見つけたいものです。

監査役が機能していなくても、また正式な権限はなくても、監査役的な役割をも担って会社の管理体制を強化する、新しい内部監査が求められているのかもしれません。



コーポレート・ガバナンスに関する制度的な議論は今後進むと思われます。

一方で、中小上場企業においては、内部監査を本当に機能させていくために、独自の方策を模索していくことも必要なのではないでしょうか。



*日本大学の堀江教授が、通常の内部監査の枠を超えた内部監査を提言しておられます。

ご興味のある方は、一度堀江教授の講演をお聞きになってください。

(年に何度か、日本内部監査協会で講演されています。)


2011.09.27 Tuesday 08:02

監査役との連携

 内部監査は監査役との連携が重要、ということがどの教科書にも書かれています。
実際、オーナー経営者への牽制がすべてといっても過言ではない中小上場企業において、内部監査を機能させるためには、監査役との連携が欠かせません。

でも、監査役が機能していない場合にはどうなるのでしょうか。

上場企業としての建て前上、監査役が機能していないなんてことは言えませんが、実質的に監査役が機能していないというケースは少なくありません。

そんな場合、内部監査人は、監査法人などと連携しつつ、監査役的な役割を果たさざるを得なくなります。

ただし、従業員の立場でそのような役割を果たすためには、相当のモチベーションと決意がなければ困難です。
そういう意味で、内部監査を外部委託するのは、かなり有効な手段だと思います。

2011.09.06 Tuesday 07:53

内部監査とは(1)

 今さらかもしれませんが、今日は内部監査について考えてみましょう。

企業の不祥事が後を絶たない昨今、内部統制報告制度が導入されるなど、企業の内部統制に対する関心が高まっています。
内部監査は、その内部統制の中で重要な役割を担います。

内部統制というのは、ゞ般海陵効性・効率性、∈睫格鷙陲凌頼性、事業活動に係る法令等の遵守、せ饂困諒歔粥△箸い4つの目的を達成するために、企業内のすべての者によって遂行されるプロセスであって、‥制環境、▲螢好の評価と対応、E制活動、ぞ霾鵑氾礎、ゥ皀縫織螢鵐亜↓Γ稗圓悗梁弍、という6つの要素から構成されるものです〔企業会計審議会「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準」より〕。
平たく言うと、会計処理を正しく行い、守るべき法律を守ったうえで、効率よく経営を行うための全社的な仕組み、と言えるでしょう。

内部監査は、内部統制の6つの構成要素のうちゥ皀縫織螢鵐阿量魍笋鮹瓦Δ發里如健全な経営を行うための仕組みが有効に機能しているか、客観的な立場からチェックします。PDCAの経営管理サイクルでいうところのC(Check)にあたる部分であり、次のA(Act)につなげるためのとても重要な機能です。

*日本内部監査協会「内部監査基準」における内部監査の定義
日本内部監査協会「 内部監査基準」においては、「内部監査とは、組織体の経営目標の効果的な達成に役立つことを目的として、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の立場で、経営諸活動の遂行状況を検討・評価し、これに基づいて意見を述べ、助言・勧告を行う監査業務、および特定の経営活動の支援を行う診断業務である。これらの業務では、リスク・マネジメント、コントロールおよび組織体のガバナンス・プロセスの有効性について検討・評価し、この結果としての意見を述べ、その改善のための助言・勧告を行い、または支援を行うことが重視される。」とされています。
内部監査は、経営活動のCheckはもちろんのこと、Checkした内容を改善(Act)につなげる役割を期待されていることが分かります。

2011.08.30 Tuesday 08:12

規程

 上場の時にまとめて整備した社内規程。
その後はメンテナンスも行われず、存在さえ知らない人もいる、なんてことはないでしょうか。

オーナー経営者に「わしがルールじゃ!」と言われれば、
従業員としては何も言えないかもしれません。

それでも、組織経営を行いたければ、地道に規程を運用していかなければなりません。
いつまでも仕事が人についている状態では、次のステージに進むことはできません。

2011.08.17 Wednesday 08:18

新任内部監査人の参考サイト

 初めて内部監査業務についてから早や8年。
以来、内部監査に携わり続けています。

内部監査を始めたころは、J−SOX以前ということもあり、まだ内部監査にはあまりスポットライトがあたっておらず、右も左もわからない自分でも使えそうな資料がなかなかありませんでした。

そんな中、奇しくも同じ時期に開設されたのが『内部監査人室』というサイト。
理論よりむしろ実務重視で書かれていたので、とても参考になりました。
同サイトからは、本も2冊出版されています。

ご参考まで。

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