2015.06.20 Saturday 05:36

在庫の滞留がキャッシュ・フローに与えるダメージ

在庫の滞留は、私たちが想像している以上に、キャッシュ・フローにダメージを与えています。

主なダメージは次の3つです。

1.購入・生産に費やしたお金がムダになる

2.税負担が生じる

3.管理コストがかかる

 

以下では、この3つを詳しく見てみましょう。

 

ダメージその1 購入・生産に費やしたお金がムダになる

会社(製造業)は、手持ちのお金をもとに、材料や部品などを購入し、従業員に給料を支払って製品を生産し、その製品を販売してお金を得ています。材料・部品を購入したり給料を支払ったりしたときにはお金が出ていき、製品を販売した時にお金が入ってきます。当然のことながら、製品が売れなければお金は入ってきません。

材料・部品や製品は、購入あるいは生産した段階で、資産(在庫)として帳簿に記録されます。帳簿に数字がのっていると、あたかもそれだけの価値があるように思えますが、実際にはそれだけのお金が出ていったことを示しているにすぎません。在庫となっている材料・部品は、製品の生産に使用され、その製品が販売されて初めてお金に姿を変えるのです。同様に、在庫となっている製品は、販売されて初めてお金に姿を変えるのです。

在庫が滞留するということは、その在庫の購入や生産にかかったお金が出ていっただけで、それらを使用・販売すれば入ってくるはずのお金が入ってきていないということを意味します。会社のお金が滞留在庫の分だけムダに減少しているということです。

 

ダメージその2 税負担が生じる

使用も販売もできなくなった滞留在庫は、廃棄するしかありません。

廃棄すれば、廃棄した在庫の金額分だけ会社の利益は減ります。税金がかけられる会社の所得は利益をもとに計算されますから、滞留在庫を廃棄することによって利益が減れば所得も減り、支払う税金も少なくなります。

反対に、廃棄するしかない滞留在庫を保管していると、廃棄すれば軽減されるはずの税金を余分に支払うことになります。滞留在庫が100万円、税金が40%とすると、40万円の税金を余分に支払わなければならないということです。

このように、滞留在庫を廃棄せずに放置していると、支払わなくてもよい税金を支払うことになります。会社のお金が税金の分だけムダに減少しているということです。

 

ダメージその3 管理コストがかかる

滞留在庫を管理するためには、通常の在庫を管理するのと同じだけの手間がかかります。会社にお金をもたらさない在庫を管理するために、限られた時間を使い、限られたお金から人件費を支払い、限られた在庫スペースを割かなければなりません。その結果、会社にお金をもたらす在庫の管理やそのほかの業務が圧迫されるかもしれませんし、あふれた在庫を保管するためにお金を払って外部倉庫を借りることになるかもしれません。

会社のお金が、滞留在庫を管理する人件費や外部倉庫費用の分だけムダに減少しているということです。

 

以上、「在庫の滞留がキャッシュ・フローに与えるとんでもない悪影響」として、購入・生産に費やしたお金がムダになる、税負担が生じる、管理コストがかかる、という3つを見てきました。

 

必死になって売上を上げているのに一向にお金に余裕が出ない大きな原因の一つが、滞留在庫の放置だということがご理解いただけたでしょうか。

皆さんの日々の努力は報われなければなりません。

ぜひ、滞留在庫を減らして、一生懸命稼いだお金がムダに出ていかないようにしてください。

 

(在庫が滞留する原因を調査します。お気軽にご連絡ください。)
http://tanakabizsupport.com/cash/contact.html
 


2011.11.01 Tuesday 07:52

滞留在庫を減らすための方策(6)

 番外編  コスト削減・法令遵守との兼ね合い

滞留在庫を減らすための取組みを進めていくうえで、コスト削減や法令遵守との兼ね合いを考慮する必要があります。

 コスト削減

滞留在庫が減ると、今まで滞留在庫の管理にかけていた手間がなくなり、管理コストが減ります。しかしながら、余分な在庫を発生させないために材料・部品の購入数量を減らすと購入単価の上昇を招くなど、滞留在庫を減らすための取組みがコストアップにつながることもあります。
顧客からのコストダウン要請がますます厳しくなっている状況において、滞留在庫を減らすにあたってもコストを十分に考慮しなければいけないのは言うまでもありません。ただし、ここで注意しなければならないのは、購入単価の上昇などによる金額的な影響はわかりやすいのに対し、滞留在庫が減ることによる資金繰り改善や管理コスト減少の金額的な影響はわかりにくいということです。そのため、目につきやすいコストアップ要因に過敏に反応してしまい、滞留在庫を減らすことを含めた全体のメリットを見失ってしまうことが往々にしてあります。このような状態に陥らないために、滞留在庫を減らすことによる影響額を数値化しておくのもよいかもしれません。

 下請法の遵守

余分な在庫の発生を防ぐために材料・部品の購入数量を調整する場合、仕入業者との交渉が必要になります。このとき、発注済みの材料・部品の入庫を断ったり、分納を要請したりすると、「弱い者いじめ」を防止する下請法(下請代金支払遅延等防止法)に抵触する可能性があります。違反した場合は罰金や勧告などの措置を受けますので、十分に注意する必要があります。


2011.10.25 Tuesday 07:55

滞留在庫を減らすための方策(5)

 Step2-(3) 取組みを進める(3) 〜試行錯誤とメンテナンス〜

在庫の滞留は経営に対して悪影響を与えることを理解し、在庫の滞留を防ぐ取組みとすでに滞留している在庫を処分する取組みを進めて、滞留在庫を減らす。理想としてはそれぞれのStepを1回限りでクリアし、在庫が滞留しない仕組みを一気に構築したいところですが、実際にはいきなり100点満点の仕組みを構築できることはまずありません。
在庫の滞留を防ぐ取組みを進めていく中で、在庫滞留の弊害がいまひとつよくわかっていないことが明らかになることもあるかもしれません。そのような場合は、もう一度最初のStepに立ち返って、在庫滞留の弊害を理解する必要があります。また、滞留在庫を処分する段階になって、処分の基準があいまいなことが判明するかもしれません。そのような場合は、もう一度処分の基準を見直す必要があります。重要なのは、根気よく何度も行きつ戻りつしながら、在庫が滞留しない仕組みをつくり上げることです。

在庫が滞留しない仕組みができたら、それをきっちりと運用していくことによって、滞留在庫は減ります。
ただし、経済情勢も会社の経営も刻一刻と変化していきます。一度出来上がった仕組みも、時間の経過とともに現状に合わなくなってくるので、定期的に見直しを行い、現状に即した仕組みに改善し続けなければなりません。


2011.10.18 Tuesday 07:55

滞留在庫を減らすための方策(4)

 Step2-(2) 取組みを進める(2) 〜在庫の滞留を防ぐ〜

滞留在庫を減らすために必要な2つの取組みのうち、今回は、在庫の滞留を防ぐことについて考えます。

滞留する在庫の大半は、購入・生産した時点で滞留が運命づけられています。在庫の滞留を防ぐためには、この「滞留在庫予備軍」の発生を抑えなければなりません。

 余分な在庫が発生する原因を把握する

生産に必要な材料・部品の数量の見積り方がいい加減であったり、必要数量にかかわらず仕入業者の定めた単位で材料・部品を発注していると、必要のない材料・部品まで余分に発注することになります。また、生産計画の精度が粗ければ、顧客から受注した数量を超えて余分な製品を生産してしまうかもしれません。ときには、複数の原因が複雑に絡み合って余分な在庫が発生することもあるでしょう。
このように、余分な在庫が発生する原因はさまざまですが、多くの場合余分な在庫が発生する仕組みに問題があります。まずは、どのような仕組みによって余分な在庫が発生しているのか把握することが重要です。

余分な在庫は、従業員のミスによって発生することもあります。従業員のミスによる余分な在庫の発生は、仕組みの問題に比べると責任の所在や原因が明らかなため、過度に焦点が当たってしまう傾向にあります。従業員のミスについても、もちろんそれを防ぐための対応を行う必要がありますが、個別のミスへの対応にとらわれすぎて、仕組みの問題への対応がおろそかにならないよう、十分に注意しなければなりません(多くの場合、従業員のミスも、チェックが甘いなどの仕組みに起因します。)。

 余分な在庫が発生する仕組みを改善する

余分な在庫が発生する仕組みが把握できたら、その仕組みを改善しなければなりません。

仕組みの改善というのは非常に厄介です。なぜなら、日常業務に支障が出るかもしれないからです。
製造業の仕事は、製品を生産してそれを顧客に収めることによって会社のお金を増やすことですが、一般の従業員の関心事は、製品を生産してそれを顧客に収めることによって給料をもらうこと(=自分のお金を増やすこと)です。言うまでもなく、余分な在庫の発生を抑えて会社のお金を増やすことは従業員のお金を増やすことにつながるのですが、人員や時間の制約が大きい中で日常業務を回している従業員にとってそれを実感するのは難しく、どうしても自分の給料に直結する日常業務が最優先となります。
余分な在庫の発生を防ぐためには、今行っている生産計画の立て方を大幅に変えなければいけないかもしれませんし、材料・部品発注の方法を見直す必要があるかもしれません。曲がりなりにも日常業務が回っているのに、従業員があえてリスクを冒してこのようなことを行うためには、相当に強い動機が必要です。

それでは、その強い動機とは何でしょうか?

それは、従業員自らの深い理解と社長の強い支持です。
そのためには、在庫滞留の弊害と従業員自身への影響を根気強く説き続けなければなりません。また、社長自らを長とするプロジェクトチームを結成する、成果を上げた従業員を評価する、あるいは必要な投資を行う等により、社長の支持を形であらわすことも重要でしょう。

 発生した余分な在庫を速やかに処分する

余分な在庫が発生する仕組みを改善すれば、滞留在庫の増加は抑えられます。
ここで注意しなければならないのは、余分な在庫の発生を抑えることはできても、ゼロにすることはできないということです。
Step2-(1)で、すでに滞留している在庫を処分する取組みを考えましたが、「滞留在庫予備軍」の処分はこれに含まれません。ですから、「滞留在庫予備軍」の処分のための手続きを別途定めないと、余分な在庫が発生したら滞留するまで放置されてしまうのです。
「滞留在庫予備軍」の処分についても、すでに滞留している在庫の処分と同様に、処分手続きを明確にし、定めた手続きに従って粛々と進めることが重要です。そうすることによって、やむを得ず発生した余分な在庫についても、滞留を防ぐことができます。

 顧客原因による余分な在庫

余分な在庫が発生するのは自社の仕組みに問題のあるケースが大半ですから、まずは自社の仕組み改善に取り組むべきですが、余分な在庫が発生する原因が顧客にあることもあります。
力関係上、顧客への要請は極力避けたいというのが営業担当者の本音ですから、取引が始まってから在庫に関する要請を行おうと思っても、なかなか進展しません。顧客への要請は、できる限り取引開始段階において契約書などに明文化し、顧客に起因する余分な在庫の発生を抑え、発生した場合は機械的に処分を進められるようにしておく必要があります。


2011.10.11 Tuesday 07:54

滞留在庫を減らすための方策(3)

 Step2-(1) 取組みを進める(1)  〜すでに滞留している在庫を処分する〜

滞留在庫を減らすために必要な2つの取組みのうち、今回は、すでに滞留している在庫を処分することについて考えます。

 現状を把握する

在庫を処分するにあたっては、どの在庫がどのくらいの期間どこに滞留しているのかわかっていなければなりません。そのためには、まず、すべての在庫の数量、金額、保管場所、滞留期間を把握する必要があります。もちろん、同じ品目であっても保管場所や滞留期間の異なるものは、それぞれについて把握しておくべきでしょう。
また、在庫の現状は、データとして把握すると同時に、目で見ても把握できるようにしなければなりません。それを容易にするためには、滞留在庫の保管場所を他の在庫と分けることが必要になります。保管場所を区分することは、日常業務を円滑に運ぶうえでも非常に有用です。

 処分の手続きを明確にする

滞留在庫といえどもお金をかけて購入・生産したものですから、処分するには痛みが伴います。在庫は目に見えるだけに、その痛みは切実です。そのためか、滞留在庫の保管は経営に悪影響であることがわかっていても、もったいないという思いが強く働き、処分せざるをえなくなった在庫をいつまでも保管しているケースをみかけることがあります。
このような状態に陥らないために、処分の手続きを明確に定め、処分対象に該当する在庫は迷わず確実に処分できるようにしておく必要があります。

まず、在庫保管の許容期間を定めます。その期間を超えて保管している在庫は処分するのです。
許容期間を定めるにあたっては、品質と需要の2つの視点を考慮します。品質の視点とは、その期間を超えて保管していると品質が劣化するという視点です。需要の視点とは、その期間使用・販売されることがなければその後も使用・販売されることはないという視点です。
ここで注意しなければならないのは、品質の視点も需要の視点も、「予測」の要素が入らざるをえないということです。定めた許容期間を超えても、品質は劣化しないかもしれませんし、使用・販売されることがあるかもしれません。だからと言って、それが確実になるまで待っていては、いつまでたっても滞留在庫を処分することはできません。許容期間は十分に検討して決めなければなりませんが、一旦決めたら、許容期間を超えて保管している在庫は例外なく処分することが大切です。

ところで、在庫の処分と言ってもその内容は一様ではありません。安売りも処分ですし、廃棄も処分です。
会社にとって一番避けたい処分は、廃棄です。在庫の購入・生産にかけたお金をそっくりそのまま放棄することになるからです。それでも、廃棄すべき在庫は速やかに廃棄しなければなりません。そのためには、安売りをするのか、廃棄するのか、処分の区別を明確にし、廃棄すべき在庫は廃棄する以外に選択肢がないようにしておく必要があります。

在庫保管の許容期間を定め、処分の区分を明確にしたら、処分の手続きを明確にします。
どの時点で、誰が処分申請を行い、誰が決裁し、誰が処分するかを明確にするのです。
多くの場合在庫が滞留するのは仕組みに原因があるので、在庫滞留の責任を特定の部門や個人に限定することは困難です。そのため、「在庫滞留に責任がある従業員」が処分申請を行うなどとあいまいな定めにすると、誰も自ら進んで処分申請をしません。したがって、誰が処分申請を行うかをあらかじめ特定しておくことは、処分を進めるうえで非常に重要です。
また、価値のなくなった滞留在庫といえども会社の資産ですから、社長あるいは社長から権限委譲を受けた従業員が処分の決裁をし、従業員が勝手に処分することがないようにしなければなりません。

 手続きに従って処分を進める

在庫保管の許容期間を定め、処分の区分を明確にし、処分の手続きを明確にしたら、手続きにしたがって滞留在庫の処分を粛々と進めます。

中小企業に共通する強みは、何といっても「機動力」です。顧客のさまざまな要求を迅速に満たすために、柔軟な対応を行い、顧客の信頼を勝ち取っています。
ところが、個別的な対応を強みとするがゆえに、「原則」を軽視する傾向が多くの中小企業に見られます。「原則」にこだわるのは大企業病の兆候だ、中小企業にとってはすべてが「例外」だ、中小企業は「原則」にこだわっていたら商売なんかできない、といった考えです。

中小企業が得意とする個別対応には手間がかかります。顧客に対しては可能な限り個別対応を図るべきでしょう。しかしながら、手間をかけるべきでない仕事には、原則重視の対応を行い、極力手間を省くべきです。すでに滞留している在庫を減らすためには、まさに原則重視で粛々と処分を進めることが求められます。


2011.10.04 Tuesday 07:57

滞留在庫を減らすための方策(2)

 Step1-(2) 取組みを始める前に(2) 〜滞留在庫削減の意味をよく理解する〜

ここで改めて質問です。
「滞留在庫を減らす」とはどういうことでしょうか?

滞留している在庫があまりにも多いと、それを処分することだけに焦点を当ててしまいがちです。もちろん、今まで取り組んでいなかったことに取り組むわけですから、処分するだけでもある程度の成果は出るでしょう。ところが、処分を進めているうちに、おもったほど滞留在庫が減っていないことに気づくはずです。

それは、次から次へと在庫が滞留しているからです。今まで滞留在庫ととらえていなかった在庫がたまって、新たな滞留在庫になっているのです。このような「滞留在庫予備軍」の発生を抑えないかぎり、いくら処分を進めても滞留在庫は減りません。滞留在庫を減らすためには、在庫の滞留を防ぐことと、すでに滞留している在庫を処分することの両方が必要なのです。


2011.09.13 Tuesday 07:52

滞留在庫を減らすための方策(1)

 多くの中小製造業にとって、滞留在庫の問題は悩みの種です。減らしたい思いはあるにもかかわらず、一向に減らないばかりか、気が付いてみると増えていた、などということもよくあります。今回から6回に分けて、中小製造業が滞留在庫を減らすための方策を考えていきます。

Step1-(1) 取組みを始める前に(1) 〜在庫滞留の弊害をよく理解する〜

まず根本的な質問です。なぜ滞留在庫を減らしたいのでしょうか?

滞留在庫を減らすことは、簡単ではありません。今まで当たり前と思ってきた考えを捨て、日常業務を大幅に変えなければならないこともあります。社内の大きな抵抗にあうかもしれませんし、取組みに行き詰って先が全く見えなくなることもあるかもしれません。

それでも滞留在庫を減らしたいのであれば、なぜ減らしたいのかはっきりした動機を持っていなければなりません。在庫の滞留がよくないということは、誰でもなんとなくはわかります。でもそれだけでは滞留在庫を減らす取組みを進めていくことはできません。在庫の滞留が経営に対してどのような悪影響を与えるのかよく理解し、滞留在庫を減らすという固い決意があってこそ、取組みを最後まで進めることができるのです。

(以下、話を単純化するために、取引はすべて現金で行われるものとします。)

 在庫滞留の弊害 その1 〜会社のお金が減少する〜

会社(製造業)は、手持ちのお金を使って材料や部品などを購入し、従業員に給料を支払って製品を生産し、その製品を販売してお金を得ています。材料・部品を購入したり給料を支払ったりしたときにはお金が出ていき、製品を販売したときにお金が入ってくるのです。製品を販売しなければお金は入ってきません。
材料・部品を購入したり製品を生産した段階で、材料・部品や製品が資産(在庫)として帳簿に記録されますが、記録された在庫の金額は、それだけのお金が出て行ったことを示しているにすぎません。在庫となっている材料・部品は、製品の生産に使用され、その製品が販売されて初めてお金に姿を変えるのです。在庫となっている製品は、販売されて初めてお金に姿を変えるのです。
在庫が滞留するということは、その在庫の購入・生産にかかったお金が出ていっただけで、それらを使用・販売すれば入ってくるはずのお金が入ってきていないということを意味します。会社のお金が滞留在庫の分だけ減少しているということです。

在庫の滞留によるお金の減少は、会社の資金繰りに影響を及ぼします。手持ちのお金に相当余裕がある場合はともかく、通常は減少したお金を何らかの方法で補わなければなりません。方法は主に2つあります。売上を増やすことと、外部から借り入れることです。
売上を増やして減少したお金を補うためには、減少した分と同額の売上を上げればよいわけではありません。製品を販売してお金が入ってきても、原価分はお金が出ていっていますから、会社に残るのは売上と原価の差額、すなわち利益分です。つまり、売上を増やして減少したお金を補うためには、減少した分と同額の利益を上げなければならないのです。滞留在庫が100万円、利益率が10%とすると、在庫の滞留によって減少したお金を補うためには、1,000万円の売上を上げて100万円の利益を上げなければならないということです。
また、外部からの借入れによって減少したお金を補うためには、減少した分と同額のお金を借り入れなければなりません。お金を借り入れるためには、当然金利負担が発生します。
滞留在庫が100万円、金利が3%とすると、在庫の滞留によって減少したお金を補うためには、100万円を借り入れて、3万円の金利を支払わなければならないということです。

在庫が滞留すると会社のお金が減少します。減少したお金を補うために売上を増やすことは容易ではなく、外部から借り入れることは金利負担によってさらにお金の減少をもたらします。だからこそ、滞留在庫を減らす必要があるのです。

 在庫滞留の弊害 その2 〜税負担が生じる〜

使用も販売もできなくなった滞留在庫は、廃棄するしかありません。廃棄すれば、廃棄した在庫の金額分だけ会社の利益は減ります。
税金がかけられる会社の所得は利益をもとに計算されますから、滞留在庫を廃棄することによって利益が減れば所得も減り、支払う税金も少なくなります。
反対に、廃棄するしかない滞留在庫を保管していると、廃棄すれば軽減されるはずの税金を余分に支払うことになります。滞留在庫が100万円、税率が40%とすると、40万円の税金を余分に支払わなければならないということです。

滞留在庫を廃棄せずに放置していると、支払わなくてもよい税金を支払うことになります。滞留在庫を減らして税負担を軽減すべきです。

 在庫滞留の弊害 その3 〜管理の手間がかかる〜

滞留在庫を管理するためには、通常の在庫を管理するのと同じだけの手間がかかります。会社にお金をもたらさない在庫を管理するために、限られた時間を使い、限られたお金から人件費を支払い、限られた在庫スペースを割かなければなりません。そのために、会社にお金をもたらす在庫の管理やそのほかの業務が圧迫されることも少なくありません。
会社にお金をもたらさない滞留在庫の管理に使っている時間やお金、在庫スペースなどは、会社にお金をもたらす在庫の管理や、そのほかの業務のために使うべきです。


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